適応障害と診断されるまで vol.8
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
月曜日に診察の予約をしたあと、翌日からも仕事があるので、
恐る恐る、手元にあった睡眠薬を服用することにしました。
この睡眠薬は、海外出張で時差がある時に、飛行機の中で眠れるようにと、
かかりつけの内科で数日分だけ処方して頂いたものの余りです。
まさかこんな時に役に立つとは思わず、持っていて良かったと眠りにつきました。
翌火曜日に1本の電話が入ります。
心療内科のクリニックからでした。
電話の内容はあまり覚えていませんが、予約の確認と、
記入した問診票についていくつか聞かれたような気がします。
受付の方の親切な対応に、見知らぬ病院の敷居が少し下がったようでした。
少し眠れて迎えた水曜日、仕事中はずっと耳の調子が悪く、
何となく音声がぼんやりして、相手の声がうまく聞き取れません。
ちょうど、エレベーターで高層階まで一気に上がった時のように耳が詰まり、
呼吸がやけに荒く聞こえ、自分の声は鼓膜に反響して、
まるでコンサート会場で聴く立体音響のようでした。
普段より幾分優しく感じる上司の声もあまり聞こえず、
些細なことでボロボロと涙を溢し、世界から自分を否定されているような気持ちを抱え、
予約していたクリニックへと向かいます。
次へ続きます。