適応障害と血液検査 vol.6
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
内分泌科の予約をとって婦人科から帰宅しましたが、
正直、内分泌科と言う聞き慣れない言葉に、自分なりに調べてみました。
どうやら、身体の中では色々な臓器でホルモンが作られているようですが、
その分量に何らかの支障があったり、あるいは臓器自体に問題があると、
「内分泌」の異常と言う判断になるようです。
私の場合は甲状腺から出ているホルモンの量が正常値ではない、と言うことですね。
ここまで理解すると、次は今までの甲状腺の検査結果を確認したくなり、
家の中で思いつく場所を探してみました。
ここ数年だけでも1年程で引っ越しをし、その度に断捨離をしてきたせいか、
いくら探しても見つかりません。
仕方なく、以前かかった病院に過去の検査結果を開示してもらえないか
問い合わせてみることにしました。
翌朝電話で問い合わせると、数百円で検査結果を開示してくださるとのこと、
郵送でも受け取りでも対応可能とのことで、
すぐに受け取りに行き、その日中に検査結果を全て出してもらえました。
過去のデータがあれば時系列で表示してほしいという依頼にも、
事務の方々が慣れた手つきで瞬時に対応してくださり、とても有り難かったです。
近くのカフェに入って検査結果を見ると、なんと最初の検査は10年前!!!
それでも全ての検査結果がしっかりデータとして保管されているあたり、
専門病院の凄さを感じました。
このデータと、今回の血液検査の結果を持って、内分泌科の予約に備えます。
次へ続きます。
適応障害と血液検査 vol.5
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
いよいよ心療内科での血液検査の結果を見せると、先生の顔色が一気に変わりました。
先生:甲状腺の数値、結構低いよね。
私 :そうなんです。前に内科で診てもらった時からそうで。
先生:それいつの話?
私 :もう随分昔ですね。5年以上は前だと思います。
先生:その後何も治療していないの?
私 :確かその時は、妊娠したくなったらまた来てね、って言われました。
先生:・・・それどこの病院で言われたの?
私 :あ、いや、○○病院ですけど・・・
先生:○○病院が何を基準にしているのか知らないけど、
婦人科としては放っておけません!詳細な検査をしてからの判断よ!
「妊娠したくなったら」という言葉に反応されたのでしょう。
勝手なこと言わないでと言わんばかりに語気が強くなる先生。
女性の身体をなんだと思ってるのよ!とぷんぷんしながら数字と睨めっこしつつ、
この血液検査が心療内科の分野に関連する検査であること、
内分泌科で女性の身体に必要な情報を得る詳細な検査をした方が良いこと、
まずは健康な身体があっての妊娠であると説明して頂きました。
更に、同じクリニック内に甲状腺治療を行える内分泌科があるとのことで、
その先生をご紹介頂き、行ってみることにしました。
仮に内分泌科にも通うことになった場合、
婦人科と一緒に通院できた方が利便性も高く、クリニック内で情報共有できるため、
総合的な治療が受けられるかなと思ったからです。
帰りに内分泌科の予約を取り、婦人科での定期通院を終えました。
次へ続きます。
適応障害と血液検査 vol.4
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
いよいよ婦人科定期検診の日、心療内科で出た血液検査の結果と、
お薬手帳を持って婦人科医の元に行きました。
婦人科はもう10年近くお世話になっている病院で、
所属する医師が全員女医さんと、女性の強い味方になってくれるクリニックです。
私を担当してくださっている医師は、
とても明るく溌剌とした声でハキハキと話す方で、
お会いするといつも元気をもらっています。
先生にいつも通り婦人科系の話をしたあと、お薬手帳を見せると
「頑張ったねー。薬を飲んで辛いのは少し楽になった?」と。
優しく温かい言葉をかけて頂き、心がふわっと軽くなるのを感じました。
「ゆっくり休んでね。焦って復職して再発しちゃう人を沢山見てきたから。」
とこれまた寄り添った声掛けに思わず涙が出そうに。
今まで辛い時に辛いと言うことに罪悪感のようなものがあり、
もう少しなら頑張れる、私が我慢していれば上手く回る、といったように
自分で自分を苦しめるような考え方を無意識にしていたようです。
それは向上心にもとれますが、プライドが邪魔をしていただけかもしれません。
まずは自分の中で辛さや苦しさを認めて、素直に専門家に助けを求めると、
周りは優しく助けてくれることを学びました。
婦人科系の大きな問題もなく、
「大きな病気もなくて良かったねー!」と我が事のように喜んでくださり、
この先生に担当してもらえてとても有り難かったです。
さぁ次は血液検査の報告、といったところで先生の顔色が一気に変わります。
次へ続きます。
適応障害と血液検査 vol.3
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
甲状腺機能低下を指摘され、相変わらずぼーっとしなら帰宅後、
冷静になって思い出してみると、過去にも甲状腺について指摘されて
病院で検査してもらったことを思い出しました。
確か皮膚科で甲状腺が腫れていると言われ、内科を紹介して頂き、
半日くらいかかって詳細な血液検査をしたものの、
「命に問題はなく、妊娠したくなったらまた来てください」
と言われたような気がしました。
もう随分前で正直いつの話か覚えていないくらいの古い記憶ですが、
当時はまだ若かったので、そんな先の話は頭の片隅に追いやってしまい、
治療も特にしないままにしていました。
自覚症状があまりなく、日常生活に大きな支障がないので
(正確に言うと自分の状態に慣れすぎて差がわからないだけなのですが)
当時担当した内科医も大きな問題にしなかったのだと思います。
しかし、年齢を重ねるにつれて健康の重要性をひしひしと感じるようになり、
この休職期間中なら平日に病院の予約も取りやすいことから、
再度病院に行ってみてもいいかもしれないと思い立ちます。
ちょうど翌週、かかりつけの婦人科で定期検診の予約をしていたので、
この結果を婦人科に持って行き、心療内科の薬を飲み始めたことの報告と、
この検査結果の報告をして、妊娠予定はないが治療が必要かどうか、
婦人科医の意見を聞いてみることにしました。
次へ続きます。
適応障害と血液検査 vol.2
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
1週間後、再び主治医の元を訪ね、検査結果を見せてもらいました。
A4用紙に沢山の項目が載っていて、そのほとんどが適正値でしたが、
主治医の最初の一言が、
「甲状腺の機能が低いんですよね。」でした。
甲状腺とは喉仏のすぐ下にある小さな臓器で、とても柔らかく、
外から手で触ってもわからず、普段は意識しないかもしれません。
身体の発育を促したり新陳代謝を活発にする働きのあるホルモンを作っています。
つまり、元気に日常生活を送るために必要なホルモンで、
多すぎても少なすぎても日々の活動に支障が出てしまいます。
甲状腺ホルモンの分泌が多すぎる場合は、バセドウ病と呼ばれる病気で、
少なすぎる場合は、橋本病と呼ばれる病気が有名かもしれません。
かつて歌手の絢香さんがバセドウ病の治療のために活動休止されたことで
ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
女性に多く、原因はまだわかっていないようです。
甲状腺の機能が低下し、ホルモンの分泌が少ない場合、
疲れやすさやだるさがある、無気力になる、物忘れがある、眠い、などの症状があり、
個人差はありますが、この症状は適応障害の症状とも酷似しています。
私にもこういった症状がありましたが、心療内科では専門外のため、
詳しく調べるのであれば内科を受診する必要があるとのことでした。
心療内科でまさか内科の病気の可能性を指摘されるとは思わず、
他の説明は全く頭に入ってこないままその日の診察を終えました。
次へ続きます。
適応障害と血液検査 vol.1
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回までのシリーズはこちらから。
手続きと周囲への報告がひと段落し、主治医にもその旨報告すると、
「これで治療のスタートラインに立ちましたね」とのこと。
私としては薬を飲んで気持ちが楽になった気がしていて、
十分治療の効果が出ていると感じていましたが、
「まずは休職してストレス要因から離れること、次に本格的な治療を開始できます」と。
この時の「本格的な治療」が、どういったものなのか、
どれ程長く続くかなどは、この時は想像もできませんでした。
ここで、主治医から血液検査の提案がありました。
適応障害で血液検査?と思ったのですが、
身体的な症状の中に、他の病気の症状と似たような症状があり、
そちらを治療することで症状が改善する可能性もあることから、
念の為調べておくと良いとのこと。
検査は病院内で行い、結果は1週間後にわかるそうです。
私の場合、少し前に会社の健康診断を受けたばかりだったので、
基本的な異常がないことはわかっており、少し迷いましたが、
通常の健康診断では検査しない項目だけお願いすることにしました。
万が一何かあっても、休職中の今なら治療に専念しやすいからです。
すぐに血液を採取してもらい、次回の通院を待ちました。
次へ続きます。
適応障害で休職したことの報告 vol.10
こんにちは、紫音(しおん)です。
前回のお話はこちらから。
主治医に相談して選抜メンバーへの参加を決めた私。
メンバーだけのリハーサルに出席すると、そこでは2つ目の問題が発生しました。
私たちが選ばれた演目は追加演目のため、他の演目は既に進んでいて
ある程度仕上がっており、この演目だけが遅れてしまっているのです。
その上メンバーはプロでもインストラクターでもない、素人たち。
先生から厳しい指導がありメンバーも疲弊していきました。
メンバーの中には、初めてこの演目に挑戦する者、
他の演目と掛け持ちしている者、実は靭帯を損傷している者まで・・・。
それでも先生からの叱咤激励もあり頭も身体も必死で動かします。
「スタジオ在籍年数ではなく、技術や日頃のレッスンへの向き合い方、
総合的な観点から選んだのよー!選ばれていない人も沢山いるんだからー!」
非常に有難いお言葉を胸に取り組みますが、ここで3つ目の問題が。
何とリハーサル場所が、遠く100km離れた僻地!
朝7時にスタジオに集合して貸切バスに乗り込み、終了予定時刻21時とのこと。
本番は我が家から30分程の場所なのに何故・・・と思いつつ、
元々乗り物酔いしやすい性質で、もはや元気な時でさえ乗り切れるかわかりません。
今の体力では12時間以上の拘束にも耐えられないでしょう。
もはや気力や努力だけでは乗り越えられない壁が立ちはだかっていました。
こうして私は、自分の状況を打ち明ける以外に手段がなくなり、
体調不良を理由に謝罪をしてプロジェクトから抜け、
通常レッスンも休むことになります。
次のシリーズへ続きます。